コラム

パソコン選びのヒント
フィッシング詐欺
中国製のパソコン
コンピュータウイルスの歴史

デジタル社会の現状と今後
Intel CPU設計ミスによるクラッシュで、無償交換と保証延長

パソコン選びのヒント

Copilot+PC(コパイロットプラスピーシー) とは?
2024年5月20日(米国時間)、Microsoftが新しいカテゴリーとして Windows PC 「Copilot+PC (コパイロットプラス ピーシー)」を発表しました。
現時点での多くのAIが、オンライン クラウドサーバー上で実行されるのに対して、Copilot+は、オフラインで手元のWindowsパソコンのハードウエアを使ってローカルで実行されます。
つまり、Copilot+PCとは、AIプロセッサを搭載した新世代のPCのことです。
AIプロセッサと呼ばれる NPU(Neural network Processing Unit)は、AI処理に特化したハードウエアです。AIを既に使ったことがある人はお分かりですが、プロンプト(Promt)と呼ばれるユーザーからの質問や指示をもとに、AIが生成します。
言語指示によって生成されるものは、情報、画像、動画など様々です。
したがって、質問や指示を明確に表現する必要があり、不適切なプロンプトは、望ましくない結果や誤った情報をAIが生成してしまいます。
NPUは、大規模言語モデルの処理に高速に特化した、省電力なチップです。
CPUやGPUに、色々なメーカーがあるように、高性能でより安価なNPU開発競争が起こることは必至。
Copilot+PCは登場したばかり。
今度、更なる高性能なNPUを搭載したPCが出回り、価格も下がってきます。
将来は、CPU、GPU、NPUの性能を比較してPCを選ぶことになります。

Macか、Windowsか
Macパソコンはアップル社が、OS(オペレーティングシステム)からパソコン本体まで全てを自社で製造しています。Windowsパソコンは、Microsoft社が開発したOSを多数のメーカーがライセンス契約をして製造しています。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
対応しているソフトウエアの数がWindowsのほうが多く、特に企業向けのソフトウエアは今現在も圧倒的にWindows用となっています。しかし個人ユーザーとして比べた場合は、互換性がすすみ、近年Mac向けのソフトが増えています。
Windowsパソコンは、構成部品によってパソコンの金額に大きく差があり、Macパソコンは高めですが、相対的にWindowsPCに比べて性能がよく、耐久性に優れ、長く使えます。メーカーサポートも充実しています。
部品の寿命だったり、使われている部品が最終的に最新のOS(プログラム)に対応しきれなくなって、サポートが終わるという事はありますが、Windowsのように3年毎に新OSが発売され、頻繁に買い替えを余儀なくされ、サポートが終了する、ということはありません。インストールできるソフトは限られており特異なソフトは使えませんが、安い部品で構成された海外製の激安WindowsPCを3年ごとに買い替えるより、Macのほうが実用的と言えます。使用目的でお選びください。

ノートか、デスクトップか
近年のノートパソコンは薄型で、メモリがオンボード、DVD(BD)ドライブが内蔵されていないタイプが多数です。
つまり、後日メモリを増設するのが困難で、必要に応じて外付けのDVD(BD)ドライブを別途購入する、という使い方です。
そのためノートパソコンを購入する場合は、初めから必要スペックが搭載されているものを選ぶ必要があります。
デスクトップパソコンは、部品を増設し、アップグレードしながら使うことができます。
デスクトップ用のGPU(グラフィックボード)は性能が高く、動画を扱う場合はデスクトップパソコン一択ですが、近年、グラフィックカード搭載で、illustratorやPhotoshop が扱えるノートパソコンも発売されています。

製造メーカーで選ぶ
国内メーカーは、割高ですが、品質、特にサポート体制において信頼感があります。
Microsoftのサポートは、PC内の「問いあわせ」からのみに変更となり、Microsoft アカウントにサインインした状態でなければ、問い合わせができません。
つまり、セットアップ後にローカルアカウントに変更した場合は、Microsoftアカウントにサインインしてからでなければつながらず、1案件ごとの料金も高額です。チャットサポートは、AIか海外につながります。
セットアップやリカバリ等を含めて、トラブル対応に自信のあるユーザーは、リーズナブルな海外メーカー製がおすすめです。

CPUで選ぶ
CPU(Central Processing Unit)は、中央演算処理装置のことです。データはすべてCPUを経由して制御・計算されます。心臓部であるCPUがパソコンのコアとなってデータを取り扱うため、性能が優れているモデルほどデータの処理速度が速くなります。
画像や動画を扱うなら高性能なモデルがおすすめです。インテル社のCPUでは「Core i7」「Core i9」。
しかし事務作業がメインであれば、Core i3~i5で十分かと思います。
3Dや動画を編集したり、オンラインゲームをするユーザーは、GPU搭載機が必須となります。
グラフィックボードと呼ばれるハードウエアです。

リユース品をお探しの場合のWindows11のインストールに必要なCPUスペックは、
Intelは第8世代Core、AMDはRyzen 2000以降
が必要です。

GPUの有無で選ぶ
ノートパソコンの場合、後日GPU(グラフィックカード/ビデオカード)の外付け増設が不可能ではありませんが、必要であれば初めからGPU搭載機を選びましょう。
デスクトップであれば、マザーボードにもよりますが、より高性能なグラフィックボード(グラボ)を取り付けることができます。
3D作成や動画編集、オンラインゲームをするユーザーには欠かせない部品です。
GPUが搭載されていないパソコンは、ある程度はCPUが代わりに働きますが、余裕がないので動きがガタつきます。

ストレージの容量で選ぶ
ストレージとは、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶媒体のことです。持ち運び用では、USBメモリ、microSDカードなどがあります。
ストレージは外付けで増やせます。
HDD:比較的安価で、最大記憶容量が大きいが、衝撃に弱く、SSDに比べると壊れやすい。
SSD:衝撃に強く、制音声に優れ、読み書き速度が速いが、HDDより高価。

メモリのスペックで選ぶ
メモリは、パソコン内のアプリケーションの読み込み速度や、データへのアクセス速度と関係しています。更に、あらゆる作業において、一時的にデータを記憶できる容量のことです。
メモリ容量が大きいほど、快適に作業が行えます。
ある程度快適に作業をするためには、16GB以上、画像を少し扱うには、32GB以上は欲しいところです。
ノートパソコンは、メモリの増設ができないタイプが多いですが、デスクトップは後日メモリの増設が可能です。

価格で選ぶ
パソコンの金額は、スペックの差、使われている部品の性能の違いによって価格が決まります。
ソフトウエアの金額は、同じなのです。
使用目的と、どの程度快適にパソコンを使いたいかで、お選びください。
よくある後悔の原因は、「自分は初心者だから安いパソコンでいい。」という考え方です。
ある程度知識のあるユーザーであれば、パソコンの動作が遅くても、スペックを確認すれば理解できますが、初心者ほど、何度もクリックを繰り返して、パソコンが不安定になってしまうことがよくあります。初心者が、 企業のリユース品など安価な中古PCで失敗した例をよく聞きます。県外の古物商が、期間限定で会場を借りて売りに来る「PC有償譲渡会」などのケースです。OSのインストール要件を満たしていないCPUが使われていたりします。メモリやストレージ以外に、CPUの世代の確認が必須です。(Intelは第8世代Core、AMDはRyzen 2000以降)
パソコンは、置物ではなく使うための道具です。動いてこそ、役目を果たします。
リユース品を選ぶ場合は、実店舗のあるショップがおすすめです。その際、パソコンメーカーのユーザー登録が可能な中古品か、購入店のサポートが受けられる商品か、中身とサービスをよく確認して、納得して買いましょう。多くの場合、メーカー製のシールが貼ってあっても、メーカーサポートは受けられません。初心者は、中程度のスペックをおすすめします。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺の被害を防ぐためには、心がけと慎重に行動することが大切です。
必要な対策を実施することで、最新のフィッシング詐欺から自分や組織を守ることができます。
企業等が、メールやメッセージを使って、顧客に個人情報の確認や入力を求めることは、絶対にありません。確認したい場合は、リンク先をクリックせず、電話等でご確認ください。
不安をあおる文章に騙されないように、また、うまい儲け話(そんなものは、ありません)に騙されないように、ご自身の冷静な判断が騙されないカギとなります。

フィッシング詐欺の実態

  • 偽のメールやメッセージ
    フィッシング詐欺の多くは、信頼できる企業や機関を装った偽のメールやメッセージを送信することから始まります。これらのメッセージには、アカウント情報の更新や確認を求めるリンクが含まれていることが一般的です。
  • 偽のウェブサイト
    メッセージに含まれるリンクは、見た目が本物そっくりな偽のウェブサイトに繋がっていることが多いです。
    ユーザーがこの偽サイトにアクセスし、個人情報やログイン情報を入力すると、それが詐欺師に送られます。
  • 悪意のある添付ファイル
    メールに添付されたファイルを開くことで、マルウェアがインストールされ、ユーザーのパソコンが感染することもあります。このマルウェアは、キーロガー(キーボード入力記録ソフト:入力情報を盗む)やスパイウェアとして機能し、個人情報を盗み取ります。
  • スマートフォンをターゲットにしたフィッシング
    SMS(ショートメッセージサービス)やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用したフィッシングが増えています。これらのメッセージには、公式機関を装ったリンクが含まれており、クリックすると偽のログインページに誘導されます。
  • AIを駆使した詐欺
    AIを利用して、ターゲットの個人情報を収集し、パーソナライズされたフィッシングメールを送る手口が増加しています。有名人を装うことで、メールの信憑性が高まり、被害者が騙されやすくなります。
  • クラウドサービスの悪用
    クラウドサービスを利用したフィッシングも増えています。例えば、GoogleドライブやDropboxに偽のログインページを設置し、ユーザーのアカウント情報を盗む手口があります。
    クラウドや共有は便利ですが、大きなリスクを負う事でもあります。
  • 企業を狙ったビジネスメール詐欺(BEC)
    ビジネスメール詐欺は、企業の内部メールを装って、経理担当者や管理職から金銭を騙し取る手口です。
    偽の請求書や支払い指示を送ることで、企業の資金を不正に奪います。

フィッシング詐欺の予防対策

  • 疑わしいリンクをクリックしない
    メールやメッセージに含まれるリンクは、信頼できるものかどうか慎重に確認してください。
    公式サイトに直接アクセスして情報を確認するのが安全です。
  • 個人情報の入力に注意する
    公式サイトかどうか確認する前に、個人情報や金融情報を入力しないようにしましょう。
    URLをよく確認し、「https://」で始まるか、サイトの正当性を確認する証明書があるかをチェックすることが重要です。
  • メールフィルタリングとスパム対策
    メールサーバーにフィルタリング機能を設定し、スパムメールやフィッシングメールを自動的にブロックすることで被害を減少させることができます。
  • フィッシング対策ソフトの利用
    フィッシング対策機能を持つセキュリティソフトを利用することで、悪意のあるメールやウェブサイトを自動的に検出し、ブロックし、警告を出すことができます。
  • 定期的なパスワード変更
    パスワードは定期的に変更し、同じパスワードを複数のサイトで使いまわさないようにしましょう。
    強力なパスワードを作成し、管理するためにパスワード管理ツールを使用するのも有効です。
  • 二要素認証(2FA)の導入
    二要素認証を有効にすることで、ログイン時に追加の確認手段が必要となり、不正アクセスを防ぐことができます。
  • 多要素認証(MFA)の導入
    多要素認証を利用することで、パスワードだけではなく追加の認証手段(例:スマホへの通知、指紋認証)を求めることでセキュリティを強化できます。
  • 教育による意識向上と訓練
    フィッシング詐欺についての知識を深め、家族や同僚にも情報を共有する。
    企業においては、定期的なセキュリティトレーニングを実施し、従業員がフィッシングメールの特徴を理解し、疑わしいメールを識別できるようにします。
    疑わしいメールを受け取った場合の報告手順も明確にしておくことが重要です。
  • クラウドサービスのセキュリティ設定
    クラウドサービスのセキュリティ設定を確認し、アクセス制御や監査ログを有効にすることで、不正アクセスを防止します。
  • 最新のセキュリティ情報の収集
    セキュリティに関する最新情報やトレンドを常に収集し、フィッシング詐欺の新たな手口に対する対策を講じることが重要です。

中国製のパソコン

ファーウエィ製の機器にバックドア(不正に侵入するための経路のプログラム)が組み込まれているというニュースは、近年まだ耳に新しいと思います。
更に、TikTokの危険性は言うまでもなく、アメリカでは2023年に法律で使用を禁止しています。
では、いつ頃から行われてきたのでしようか。

2012年と2015年に以下の記事が掲載されました。これらの記事はインターネットで公開されたニュースであり、日本国内でのTVニュースでは報道されていません。
記事を要約すると、中国国内で生産されたパソコンの中に、出荷時に既にプリインストールされたボット ネット マルウェアウイルス(遠隔操作)が発見された、というものです。
原因を突き止めるべく調査チームは、中国国内の様々なエリアから20ブランドのパソコンを購入し、調査したところ、実に4台からウイルスが見つかりました。
これは中国国内で生産されたパソコンであるという意味で、中国メーカーのパソコン、という意味ではありません。中国で生産された複数の海外メーカー製のパソコンからウイルスが発見されたのです。
当時、人件費等の問題で、日本を含めた多くの海外メーカーが中国に生産工場を移しました。
製造時にウイルスがインストールされているわけですから、エンドユーザーであるPC使用者は、通常のリカバリでは防ぎようがありませんでした。

マイクロソフト、中国で出荷時からマルウェアを含むPCを発見
工場でプリインストールか?

Computerworld 2012年9月17日(月)11時50分配信

米国Microsoftは、中国で出荷時のPCに、強力なボットネット・マルウェアがプリインストールされていたという、驚くべき証拠を公開している。

中国でマルウェアの調査を行う「Operation B70」が開始されたのは2011年8月のこと。Microsoftの文書では、デジタル犯罪ユニット(DCU)が、中国内の様々な地域から20のブランドのPCを購入し調査をしたところ、そのうち4台がプリインストールされたバッグドア型のマルウェアによって感染しており、そのうち一つには既知の「Nitol」と呼ばれるルートキットが含まれていたという。調査チームが、Nitolの活動を追跡したところ、C&C(コマンド&コントロール)サーバが存在していることが明らかとなった。このマルウェアに感染させられたPCが、より大きなボット、おそらくDDoS攻撃を仕掛けるために使われることを突き止めたという。

USBなどのリムーバブルメディアに自分自身のコピーを残すことによりNitolはプリインストールされていたPC以外にも広がっていく。NitolによってC&Cサーバでマルウェアをホストされた場合、マルウェア犯罪者たちにとっては、ほぼあらゆる問題行動が可能となる。キーロガや制御ウェブカメラ、検索設定の変更など、様々なことを犯罪者側が遠隔操作で行えるようになる。Microsoftは、長い間マルウェアがPCの製造中、もしくは製造後すぐにPCにインストールされているのではないか、という疑いを持っていたと述べている。Microsoftは調査結果を紹介したブログのなかで「特に不穏なのが、輸送、企業間移動などサプライチェーンのどこかの時点でPCにマルウェアがインストールされているということだ」と強調する。

セキュリティ対策を加える前に、誰かが製造時にマルウェアをインストールしているという状況は、工程の後の方でセキュリティ対策を加えるというセキュリティ・システムそのものを見直さなければらならなくなる。加えて、エンドユーザーがこれらによるリスクを回避するには、既知の安全なイメージ・ファイルを用いて、オペレーティング・システム(OS)を再インストールするしかないだろう。「Operation B70」は、PCのセキュリティ状態が望ましくない状況に置かれている点を指摘しているとともに、サプライチェーンにおけるセキュリティに疑問を投げかけている。Microsoftは、すでに先週前半に、Nitolボットネットに指示するために使用されているC&Cサーバを制御するために米国裁判所から許可を取得したという。(John E Dunn/Techworld.com) 

Lenovo  レノボ

2015年1月、Lenovoのパソコンに、Superfishという強力なアドウェアが仕込まれていることが発覚しました。
Lenovoがアドウェアを忍ばせているのではないかという指摘はこれまでにもありましたが、公に検証されて問題が表面化しました。
実際どのようなアドウェアかというと、Superfishと呼ばれるウイルスで、ユーザーの許可無く検索画面に広告を表示したり、オンラインバンクやネットショッピングなど、電子証明書が必要なサイトで攻撃を仕掛けてくるというものでした。
このため、一部の電子証明書が必要なサイトにログインできなくなるという不具合も発生しました。
対象ブラウザはGoogle ChromeとInternet Explorerで、Firefoxでは動作が確認されていません。
このアドウェアの存在は、Lenovo Yoga 2というノートパソコンを購入したオーストラリア在住のある男性によって発覚しました。
出荷時に既にインストールされているので、ウイルス対策ソフトは反応しませんでした。
しかし男性は、パソコンから発信されているトラフィックが、”best-deals-products.com”というサイトへリダイレクトされていることを発見し、このウェブサイトのサーバーを調べたところ、Superfishが呼び出されていたとのことです。

Lenovoは、Superfishを、2014年9月から12月に出荷したノートパソコンに埋め込んでいたことを公式に認めましたが、このアドウェアは「ショッピングをするときに、ユーザーの好みに合った興味深い商品を見つけやすいように助けるものだ。」と主張しました。
しかし男性の告発後、 Lenovoは、Superfishのインストールを中止しました。

 対象機種
Lenovo G50シリーズ、Flex10シリーズ、Y50シリーズ、S20シリーズの一部
(Superfish社 Visual DiscoverがインストールされいるPC)
駆除方法は、Lenovoの公式サイトで確認「停止」でなく「削除」

コンユーターウイルスの歴史

コンピューターウイルスの歴史は、コンピューター技術の進化とともに発展してきました。
この脅威に対抗するためには、適切なセキュリティ対策を講じ、定期的な監視とアップデートを行うことが重要です。
Blaster(ワーム)やWannaCry(ランサムウェア)は、耳にされたことがあると思います。
以下に、主要な出来事とウイルスの進化を時系列で紹介します。

1970年代

  • 1971年: 最初の既知のコンピュータウイルス「クリーパー(Creeper)」がARPANET(インターネットの前身)上で登場。クリーパーは自己複製し、感染したコンピュータに「I’m the creeper: catch me if you can」(私はクリーパー、捕まえられるかな?)というメッセージを表示しました。

1980年代

  • 1982年: 最初のPCウイルス「Elk Cloner」がApple IIコンピュータに感染。このウイルスはフロッピーディスクを通じて広がり、感染したコンピュータの起動時に詩を表示しました。
  • 1986年: 世界で最初のMS-DOSウイルス「Brain」がパキスタンで発見。フロッピーディスクのブートセクタに感染し、感染したディスクのボリュームラベルを「Brain」と書き換えました。
  • 1987年: 「Lehigh」ウイルスが登場。初のメモリ常駐型ウイルスで、MS-DOSのCOMMAND.COMファイルに感染しました。
  • 1988年: ロバート・T・モリスによる「モリスワーム」がインターネット上で広がり、数千のUNIXベースのシステムに影響を与えました。これは初の大規模なネットワークワームとして知られています。

1990年代

  • 1991年: 「Tequila」ウイルスが登場。初のポリモーフィックウイルスであり、自己複製時にコードを変化させ、検出を困難にしました。
  • 1995年: Microsoft Wordのマクロウイルス「Concept」が登場。これは初の広く認識されたマクロウイルスであり、文書ファイルを通じて広がりました。
  • 1999年: 「Melissa」ウイルスが登場。メールを介して広がり、感染するとMicrosoft Wordの文書をメールのアドレス帳に送信しました。

2000年代

  • 2000年: 「ILOVEYOU」ウイルスが世界中に拡散し、数百万のコンピュータに感染。メールを通じて広がり、被害額は数十億ドルと推定されました。
  • 2001年: 「Code Red」ワームがMicrosoftのIISウェブサーバに感染し、広範囲に影響を及ぼしました。
  • 2003年: 「Blaster」ワームがWindowsのセキュリティホールを利用して感染。感染するとシステムが再起動する問題を引き起こしました。
  • 2004年: 「Mydoom」ワームが登場。電子メールを通じて広がり、インターネット上での分散サービス拒否(DDoS)攻撃を行いました。

2010年代

  • 2010年: 「Stuxnet」ワームが発見されました。これは工業制御システムを標的とした最初の既知のマルウェアであり、特にイランの核施設を狙ったとされています。
  • 2013年: 「CryptoLocker」ランサムウェアが登場。感染したコンピュータのファイルを暗号化し、身代金を要求しました。
  • 2014年:「ボット(Robotのbot)」はウイルス/トロイの木馬/ワームに分類されるマルウエアで、自動的に一定の作業をして巨大なボットネットを形成し、遠隔操作により個人情報を盗みます。
  • 2017年: 「WannaCry」ランサムウェアが世界中に広がり、特に医療機関などに大きな被害をもたらしました。

2020年代

  • 2020年以降: 新型コロナウイルスのパンデミックに乗じたフィッシング詐欺やマルウェア攻撃が増加。また、リモートワークの普及に伴い、VPNやリモートデスクトッププロトコル(RDP)を狙った攻撃も増えています。

デジタル社会の現状と今後

2024年8月

企業の事業効率化
人口減少による労働力不足を補うため、現在多くの企業が業務プロセスの標準化と自動化を進めており、作業の効率化とエラーの減少が実現されています。
コスト削減のため、経費削減やリソースの最適化を目指し、アウトソーシング(外注)やシェアードサービスセンター(グループ企業内で経理・財務・人事・総務などの間接業務を集約して一体運営化)の導入も進んでいます。
 更にKPI(主要業績評価指標)の設定とそのモニタリングを行い、継続的な業務改善が図られています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)
DXとは、AI(人工知能)、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン(上書きできない保存)などの先進的なデジタル技術を導入して、ビジネスや社会のさまざまな側面を根本的に変革することを指します。これにより、企業や組織は新しい価値を創造し、コストを削減し、競争力を高め、効率性を向上させることができます。
課題としては、デジタル技術の導入に伴い、データのセキュリティとプライバシーの確保がより一層重要となります。
企業や組織内での意識の変革、高度なデジタルスキルを持つ人材確保や、従業員のスキルアップの底上げが必要です。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に普及し、デジタルツールの利用が不可欠となっています。

最新の現状

  • AIと機械学習の進展
    AIと機械学習技術の進展により、予測分析、自然言語処理、自動化の分野での応用が進んでいます。特に顧客サービス、サプライチェーン管理、金融サービスなどでの活用が増加しています。
  • クラウドコンピューティングの拡大
    クラウドサービスの市場は急成長しており、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudが主要プレイヤーとして市場をリードしています。クラウドの利用は、コスト削減、柔軟性、リモートアクセスの向上に寄与しています。
  • ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の普及
    RPAツールの導入が進み、定型的な業務の自動化が進展しています。これにより、人的ミスの削減と生産性の向上が実現されています。
  • IoTとエッジコンピューティング
    IoTデバイスの普及とエッジコンピューティングの進展により、リアルタイムのデータ収集と分析が可能となっています。これにより、効率的な運用と迅速な意思決定が実現されています。

今後の展望

  • 5Gの普及
    5Gネットワークの普及により、さらに高速かつ低遅延の通信が可能となり、IoTデバイスの活用が加速することが期待されています。これにより、スマートファクトリーやスマートシティの実現が進むでしょう。
  • データプライバシーとセキュリティの強化
    デジタルトランスフォーメーションが進む中で、データプライバシーとセキュリティの重要性が増しています。新しい規制やセキュリティ技術の導入が進むと予想されます。
  • ハイブリッドワークモデルの定着
    リモートワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークモデルが一般化し、それに対応するためのデジタルツールやインフラの整備が進むと考えられます。これにより、柔軟な働き方が可能となり、従業員の生産性と満足度が向上するでしょう。
  • エッジコンピューティングの台頭
    データ処理をクラウドからエッジ(デバイスやローカルサーバー)に移行するエッジコンピューティングが注目されています。これにより、リアルタイムのデータ処理が可能となり、迅速な意思決定が求められる業務での活用が期待されています。

2024年7月インテル社は、デスクトップ用の13世代Coreプロセッサーと14世代Coreプロセッサーの一部プロセッサーに設計ミスがあったことを認めました。
クラッシュの原因が「マイクロコードに不具合が存在し、プロセッサーに異常な高電圧がかかる。」というもの。同年8月に修正パッチが配布されますが、クラッシュ問題が発生したプロセッサーは、この高電圧によって既に物理的に破損している可能性が非常に高く、修正パッチを適用しても、一度破損したものは元通りにはなりません。現時点では、リコールにはなっておりませんが、該当プロセッサーに対して、現象が発現しているものは無償交換、該当プロセッサーは2年間の延長保証となりました。
12世代以降のプロセッサーには3年間の限定保証が付与されているので、今回の延長保証と合わせると合計5年間の保証を受けられます。
延長保証は、自作PC市場で流通しているボックス版プロセッサーと、PCメーカー向けに販売されているトレイ版プロセッサーの両方が対象。プロセッサーの交換が必要なユーザーに対して、ボックス版プロセッサーを使っている場合はIntelのカスタマーサポートに、トレイ版プロセッサーを使っている場合はPCの購入元に連絡。



保証期間延長対象の13世代Coreプロセッサー
・i9-13900KS
・i9-13900K
・i9-13900KF
・i9-13900F
・i9-13900
・i7-13700K
・i7-13700KF
・i7-13790F
・i7-13700F
・i7-13700
・i5-13600K
・i5-13600KF

保証期間延長対象の14世代Coreプロセッサー
・i9-14900KS
・i9-14900K
・i9-14900KF
・i9-14900F
・i9-14900
・i7-14700K
・i7-14700KF
・i7-14790F
・i7-14700F
・i7-14700
・i5-14600K
・i5-14600KF

第13・14世代Coreプロセッサーに関してはノートPCでも問題が発生するという指摘が多数ありますが、Intelは依然としてノートPC版プロセッサーの問題を認めていません。