中国製のパソコン

2012年に以下の記事が掲載されました。
しかし、この記事はインターネットで公開されたニュースで、日本国内でのTVで報道された記憶は、私にはありません。

記事を要約すると、中国国内で生産されたパソコンの中に、出荷時に既にプリインストールされたボット ネット マルウェアウイルス(遠隔操作)が発見された、というものです。
調査チームが中国国内の様々なエリアから20ブランドのパソコンを購入、調査したところ、実に4台からウイルスが見つかった、というものです。
これは中国国内で生産されたパソコン、という意味で、中国メーカーという意味ではありません。
人件費等の問題で、日本を含めた多くのメーカーが中国に生産工場を移転しました。
中国製と日本製のパソコンでは、同一メーカーであっても生産ラインも異なり、ネジ1本から違います。セットアップした時の初期不良も格段に差があります。

製造時にウイルスがインストールされているわけですから、エンドユーザーであるPC使用者は、通常のリカバリでは防ぎようがありません。

ウイルス:悪意のあるプログラム

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マイクロソフト、中国で出荷時からマルウェアを含むPCを発見
――工場でプリインストールか?

Computerworld 9月17日(月)11時50分配信

 米国Microsoftは、中国で出荷時のPCに、強力なボットネット・マルウェアがプリインストールされていたという、驚くべき証拠を公開している。

 中国でマルウェアの調査を行う「Operation B70」が開始されたのは2011年8月のこと。Microsoftの文書では、デジタル犯罪ユニット(DCU)が、中国内の様々な地域から20のブランドのPCを購入し調査をしたところ、そのうち4台がプリインストールされたバッグドア型のマルウェアによって感染しており、そのうち一つには既知の「Nitol」と呼ばれるルートキットが含まれていたという。

 調査チームが、Nitolの活動を追跡したところ、C&C(コマンド&コントロール)サーバが存在していることが明らかとなった。このマルウェアに感染させられたPCが、より大きなボット、おそらくDDoS攻撃を仕掛けるために使われることを突き止めたという。

 USBなどのリムーバブルメディアに自分自身のコピーを残すことによりNitolはプリインストールされていたPC以外にも広がっていく。

 NitolによってC&Cサーバでマルウェアをホストされた場合、マルウェア犯罪者たちにとっては、ほぼあらゆる問題行動が可能となる。キーロガや制御ウェブカメラ、検索設定の変更など、様々なことを犯罪者側が遠隔操作で行えるようになる。

 Microsoftは、長い間マルウェアがPCの製造中、もしくは製造後すぐにPCにインストールされているのではないか、という疑いを持っていたと述べている。

 Microsoftは調査結果を紹介したブログのなかで「特に不穏なのが、輸送、企業間移動などサプライチェーンのどこかの時点でPCにマルウェアがインストールされているということだ」と強調する。

 セキュリティ対策を加える前に、誰かが製造時にマルウェアをインストールしているという状況は、工程の後の方でセキュリティ対策を加えるというセキュリティ・システムそのものを見直さなければらならなくなる。

 加えて、エンドユーザーがこれらによるリスクを回避するには、既知の安全なイメージ・ファイルを用いて、オペレーティング・システム(OS)を再インストールするしかないだろう。

 「Operation B70」は、PCのセキュリティ状態が望ましくない状況に置かれている点を指摘しているとともに、サプライチェーンにおけるセキュリティに疑問を投げかけている。

 Microsoftは、すでに先週前半に、Nitolボットネットに指示するために使用されているC&Cサーバを制御するために米国裁判所から許可を取得したという。
(John E Dunn/Techworld.com)